◆◆ 『侍ジャイアンツ』 の 各回ごとのStory (第1話) ◆◆


番組名 『侍ジャイアンツ』
放送局 読売テレビ放送株式会社 (YTV)
放映日 昭和48年10月 7日(日)
放映時間  夜 7:30 〜 夜 8:00


第 1 話    『ほえろ! バンバ バン』

<プロローグ> 

 嵐の日、小さな釣り船に乗った少年が、銛を片手に

 8年ぶり土佐の沖に現れた鯨に挑みかかろうとしている。

 背番号 「1」の野球部ユニフォームを着たその少年が、

 鯨に向かって投げた銛は大きく外れ大暴投。

 海に投げ出された少年は、鯨に向かって怒鳴った。

   「けっ! でけぇからって図に乗りやがって! 
   この番場蛮サマはな、でけぇこと、力の強えぇことを
   笠に着るような奴は絶対許せねぇんだ!!」

   「覚えてやがれ! でっかくて、バカ強えぇからって
   いばるんじゃねぇや! 今にやっつけてやるぞ!!」

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 日本シリーズも大詰め・・・。 巨人 VS 南海 戦。

 圧倒的な勝利をほぼ手中に納めながらも、なおもバントで走者を

 出そうとする川上野球に対する、凄まじい罵声や怒号の嵐。

 そんな中、当の川上哲治監督はV8を目前にして、紳士的すぎる

 巨人軍に、野性味あふれる侍の血を・・・と考えていた。

 きちんとした理論でははかりきれない、はみ出し野郎。

 それだけに又、スケールのどでかい、無限の可能性を秘めた奴。

 巨人軍の選手はスマートに洗練され、理論通り動いてくれるという

 点では日本一だが、しかし、スケールのでかさや野性味がない。

 このままでは、日本の野球は不人気になってしまう・・・。

 紳士ジャイアンツを侍ジャイアンツにする為に、

 侍の血が必要なのだ。 明日の為に、侍の血を・・・!!


 その時、四国出身の二軍選手・八幡太郎平から、母校の後輩に

 相応しい男がいると教えられる。

 スケールのどでかい、まこと侍のような、型破りな男・・・

 その名も 『番場 蛮』 だと。

 早速、八幡の母校である土佐嵐高校と、四国高校野球部の練習

 試合を見に来た川上監督と、それに同行した巨人軍4番打者の

 長嶋茂雄は、初め、あまりに粗暴なその男の態度に驚くが

 その隠れた資質に、次第に惹きつけられていく。

 まるで、大リーグのスラッガー気取りで大きく足を開き、バッドを

 高々と構えた蛮は顔面にデッドボールを受けるが、避けるどころか

 まばたきひとつしなかった。 

 その上、当たっちゃいねぇぜ、と そのまま打席に残る。

 そして、次の球を大ホームランにしてしまう。

 更に、次の回、マウンドの蛮は観戦に訪れた上級生の美波理香の

 姿を見つけ、つい心乱れ、大暴投の連続となる。

 すごい豪速球だが、コントロールがなっていない。

 相手チームの打者は皆、蛮の球に負傷し次々代走を立てていくが

 とうとう代打もいなくなり、放棄試合となり野球ルールにのっとって

 9−0で土佐嵐高校の勝ちとなる。


 試合後、砂浜で美波理香とふざけて話をしている蛮に、負けた

 四国高校の応援団たちが仕返しをしようと5人かがりで喧嘩を

 しかけてくる。

 しかし、蛮はあっさりそれをかわし、逆にやっつけてしまった。
 
 そこで案内役の八幡が蛮に声をかけると、蛮は八幡との再会を

 喜んだが、横にいる川上と長嶋には、そっぽを向いてしまう。

 失礼だとたしなめる八幡に、蛮は言い放つ。

  「もし先輩のように、プロでやれる腕があったら・・・その時は
  ジャイアンツをコテンパンにぶっ叩いてやるのが、この番場蛮の
  夢だってことよ!」

 どうしてそこまでジャイアンツを敵視するのかと問う、川上たちに

 蛮は答える。

  「ことは簡単。 ジャイアンツがバカ強いからよ!
  球界の王者面を決め込んでいるからよ!
  俺は、強いもの、でっかくふんぞり返っているものを見ると
  無性にカッカと燃えるんだい!」

 そんな蛮に川上は、もしもジャイアンツが入団を勧誘したら

 どうするかと尋ねる。

  「あんたらも頭悪いね。 ジャイアンツに入ったらジャイアンツを
  ぶっ倒すことは出来ないじゃんか! ハハハハハ・・・」

 蛮は不敵に嗤い答えると、お得意の鼻歌を歌いながら、皆を残し

 歩いて行ってしまうのだった。


 何故、最初のシーンで八幡は二軍選手だというのにV8を争う
  巨人軍のベンチにいたのか・・・?
  たまには一軍ベンチ入りをするくらいの選手だったのかな? 
 グランド横の道で川上監督たちが蛮の試合を観戦しようとして
  いる時、美波理香がバイクで現れるシーンがあるけど、その時
  八幡たちと話す理香の顔がアップになるんだよね。
  でも、その時の理香の瞳はブルーなんだよ〜。
  理香って実はハーフ? (笑)
 四国高校との練習試合で、蛮は背番号「1」をつけていたが
  第2話以降では、ずっと背番号は「15」なんだよね。
  背番号って、そんなに変わるものなのかな?
 蛮がデッドボールを顔面に受けたとき、間違いなく前歯が
  折れて飛んだのに、あとのシーンではちゃんと歯はそろってる
  んだよね。
  ・・・ま、前歯の抜けた主人公なんてサマにならないけどね。


   
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