第1回〜第5回 のお話


各タイトル

第1回 ちんちら
第2回 コートおじさん
第3回 ハムスター
第4回 いちご&みるくの顔
第5回 いぼる


第1回 『ちんちら』 ・・・ 97/10/17



  数日前、会社の先輩(♀)が、飼っているチンチラの話をしてくれたんだけど

  チンチラって、結構 賢いらしくて、人間にも、すごくなついてくれるみたいなんです。

  彼女がお風呂に入るときは『自分も入る!』って寄ってきたり・・・。

  何より驚くのが、彼女が仕事から帰って来るのを心待ちにしていて

  喜んで迎えてくれるんだけど、帰りが遅くなると、「ガジガジ」と指を噛むんだって。

  まるで『遅い、遅いっ!!』って言ってるみたいに、怒るんだとか。

  どうも、日が暮れるのが基準になってるみたいで、

  夏は余裕で間に合うけど、もう、今の季節はダッシュで帰らないとダメだとか。

  おかげで彼女は、ここんとこ毎日 「ごめんでちゅー」 と、謝りっ放しだそう。

  でも、そんなになついてくれちゃうと、やっぱりカワイイんだろうなー。

  その点、うちはハムスターなもんで、そういう意味での幸せな気分は味わえないのです。

  うちの 『くるちゃん』(ジャンガリアン・♀) は、ちーっともなついてなんかくれないし、

  ましてや、私の帰りを待ってるなんてことはあり得ない。 

  その上、小っちゃすぎて抱っこも出来ないし、ちょっと淋しい・・・。

  でも、その仕草はとってもカワイイから、見ているだけで幸せ♪


  テレビなんかで、よく動物ものの番組があってるけど、その度に

  「かわいいなぁ」 「いいなぁ」 などと思ってしまう、みるくなのでした。


                       。。。 おしまい 。。。。
       



第2回 『コートおじさん』 ・・・ 97/10/23


  近頃は、登下校中の子供たちが傷付けられる事件があちこちで頻発しているようで

  先日もメールのやりとりの中でそんな話になったんです。

  でも、私たちが子供の頃は、そんな事件は滅多に起こるものではなく、

  せいぜい 「学校の周辺に痴漢が出没しているので気をつけましょう」 

  といった程度のことだったんですよね。

  それでも、私は学校のすぐそばに住んでいたから、露出狂のおじさんには

  何度となく遭遇していて、メールにそう書いたら、

  その人の奥様も『コートおじさん』に出くわしたことがあるんだとか。

  やっぱり、一般的には、そういうコトする人っていうのはコート姿なんだろうか・・・・。

  私も、今まで何人かの、そういうおじさんに出会って来たけど

  実は、コートを来たおじさんには未だに一度も出会ったことがなく、

  いつもジャージやズボンを下ろしていたり、まるでオシッコする

  みたいにソコだけ出していたり・・・・という人ばかり。

  だから、『コートおじさん』という表現を目にして、「へぇ!なるほど」

  と妙に感心してしまいました。

  で、私なんかは気が強くて、そんなヘンなおじさんを喜ばしてやるなんて悔しい!

  と思っちゃう方なので、チラッと軽蔑的な視線を投げかけた後は、

  全く無視してずんずん歩いて行っちゃうのだけど、

  大人になってから、同級生の女の子のお母さんに聞いた話では

  その子は『コートおじさん』に遭ったことが相当ショックだったらしく泣いて帰って来たんだとか。

  (中学3年の時のことらしい・・・)

  お母さんは、その子が心に大きな傷を負ってしまったんじゃないかと随分心配してたらしい

  のだけど、今ではその子も、立派に一児のママになり、

  お母さんは ”大丈夫だった” とホッと胸をなで下ろしたんだって。


  ・・・と、ちょっと話がズレたけど、私たちの頃は、ちょっと驚いたり、

  いやな思いをしたりはしてたけど、今の子たちは身体を傷付けられたり、

  それこそ「殺される」という恐怖を味わったりするんだとしたら、

  それってかなり深い心のキズになりそうだな・・・ってことを思ったのでした。

  安心して子供たちを外で遊ばせられないっていうのは、哀しいことですよね。

  全く、世の中、おかしな人がいて困りますね・・・というお話でした。 


                       。。。 おしまい 。。。。
        


第3回 『ハムスター』 ・・・97/10/28


  第1回のひとりごと 『ちんちら』 の中にも出てきたけど、うちには

  「くるちゃん」という、ジャンクガリアン・ハムスターの女の子がいます。

  去年の1月の初めに、ペットショップで買ってきたのですから、もう、

  あと2ケ月ほどで、丸2年になります。

  ペットショップでは、プラケースの中に十数匹の仲間とともに入れられて

  いたのですが、店員さんに 「どれでも好きなのを選んでいいですよ」 と

  言われて、私たちが初めに手に取ったのは、全く別の子でした。

  その子は好奇心旺盛で、やたら私たちの指をカジカジと噛んでいましたが

  次に手に取った子は、全く噛んだりせず、大人しそうな子だったのです。

  私たちも初めて飼うわけだし、あんまり噛まない子の方がいいと思って

  その子に決めたのでした。

  それが、くるちゃんです。

  真っ黒でまん丸な瞳が、くりくりっとしていて、それがあまりに印象的だった為

  「くるちゃん」 になったという安易な命名だったけど、友達に「くるちゃんって

  名前にした」 と言うと、 「(まわし車を)くるくる廻すから、くるちゃん?」 と

  言われてしまい、やっぱりあまりに安直な名前だったかしら・・・ と思ったのでした。

  初めは、ホントに小さくて、下手に持つと壊れちゃうんじゃないかってくらいでしたが、

  それでも今は、随分大きくなったようです。

  毎日見ている私たちからすると、相変わらず小っちゃいなーと思うのですが

  たまにペットショップなんかに行くと、お店で売ってるやつは、もっともっと小さくて、

  今のくるちゃんの半分くらいしかなくて・・・。 それを見ると

  ”あぁ、くるちゃんも大きくなったんだなぁ・・・” と、しみじみ思うのでした。

  相変わらず、くるちゃんは大人しくて、どんなにイヤな事をされても絶対に

  人を噛まないイイ子なのですが、そのくるちゃんが、たった一度だけ

  私の指をガブッと噛んだことがあります。

  しばらく固い餌をあげてなかったからなのか、ストレスでもたまっていたのか

  外に出してやると、とにかくずっと指をガジガジしてて、それが何だか

  本気っぽくて、ヤバイなーと思ってたら、いきなり左の人差し指をガブッ・・・。

  小っちゃな歯形がつき、血の玉ができたほど。

  その後、丸1日くらいは、ずっとズキズキしてました。

  おかげでそれからしばらくは、何だか怖くて、くるちゃんに触れなかったのです。

  もう今は大丈夫ですけど。

  もともと臆病な子で、よく 「ヂヂッ!」 と鳴きますが、ものの本によると、

  最初に私たちがペットショップで手に取ったような、好奇心旺盛な子の方が

  人間には慣れやすいそうで、だからなのか何なのか、くるちゃんは

  ちーっともなついてくれず、マイペースです。

  外に出るのも大して好きではないらしく、外に出たがることもありません。

  トイレも覚えてくれないし (初めはちゃんと覚えてたくせに、途中からは何故かメチャクチャ・・・)

  寝言は言うし、寝ぼけて滑稽な姿を披露してくれたり・・・

  なかなか手のやける、だけど笑わせてくれる、かわいい子なのでした。

                                。。。おしまい。。。。



第4回 『いちご&みるくの顔』 ・・・ 97/11/03


  本当は、今回は、長野オリンピック開催まで100日を切ったところだし

  スタート地点がどうのこうの・・・なんて話題にもなってるし、ちょっと

  スキーの思い出話などしてみようかと思ってたんだけど、最近よく

  いちご&みるく、ふたりの顔について聞かれてる気がするので、急遽

  話題を変更して、いちごの顔&みるくの顔について書いてみたいと思います。


  まず、いちごの顔・・・。

  掲示板の方にも書き込みがあったけど、『いちごのつぶやき』のタイトルにある

  イチゴの絵を見て、いちごってあんな顔なの? という質問が何件かありました。

  たしかにメガネはかけてるんですが、別にああいう顔をしているわけではないんですよ。

  もっと丸顔で優しい顔をしているせいか、女の子に間違えられることも多いようで、

  昔は欽ちゃんの人気TV番組「欽どこ」の三姉妹の中の”たまえちゃん”に似てると

  言われたこともあったみたい。私も、それにはちょっと同感かな。

  (でも、きっともう今じゃ知らない人の方が多いかな? ・・・・歳がバレてしまう・・・)

  私が見る限り、芸能人や有名人の誰に似てるっていうのはないし、

  今までそういう風に言われたことは、後にも先にも、その一度だけらしいんだけど、

  土曜日、サッカーの日韓戦を見てて、ちょっぴり北澤に似てるかも・・・と思いました。

  北澤よりはずーっと色が白くて、あんな風にゴツゴツした感じは全くないんだけどね。

  あとは、佐野史郎と さだまさしを足して割ったような・・・とか・・・・・・。

  うーん、よく分かりませんねぇ。


  かくいう私の方は・・・。

  小学校高学年の頃は石野真子、中学では堀ちえみ、大人になってからは

  山瀬まみ・・・あたりに似ていると言われたことはあるんだけど、

  何故か いちごだけは中谷美紀に似てると言うんです。

  前述の三人は、何となくふっくらしてて共通項があるような気もするけど、

  中谷美紀だけはタイプが違うような気がしません?

  自分でも、他の三人はともかく、中谷美紀だけは「どこが?」という気がするのに、

  いちごはTVに彼女が出てくると、いつも私の顔を見て

  「似てると思うんだけどなァ・・・」 などと言ってます。

  だけど、絶対自分では似てるって思わないから、皆さん、決して過剰な期待を抱かないように・・・

  皆さんは、誰に似てるって言われますか?


                       。。。 おしまい 。。。。


第5回 『いぼる』 ・・・ 97/11/05


  今日は、前回、先延ばしにしてしまった、スキーのお話です。

  私の通っていた高校の修学旅行は、例年、長野県へのスキー旅行でした。

  ほとんどの人が九州で生まれ育ったという私たちにとっては、スキーなんて初体験。

  もちろん、あれだけの雪を見ることも初めてなのです。

  何しろ、福岡なんてところは一冬に1度か2度、5センチ程度の雪が積もれば

  大雪だと大騒ぎするようなところなのです。

  雪深い地方の人には笑われそうですが、たったそれだけの雪が積もっただけで、

  車は立ち往生して大渋滞が起こり、時には、バスや電車が止まってしまうほど、

  雪には縁のない地方なのです。

  そんな私たちが、高校生にもなって初めてスキーに挑戦するのですから、それはもう大変なコトです。

  6〜7人で1グループとなり、1人のコーチについて一から習うのですが、

  たまたま私のグループのコーチは、同じクラスの他のグループの子たちはもちろん、

  他のクラスの子たちからも羨ましがられるようなNiceなコーチだったんですね。

  年の頃は20代半ばから後半くらいで、顔は小田和正にちょっと似て、なかなか恰好良く、

  優しくて、その上面白いという、いからも生徒に喜ばれそうなコーチでした。

  ・・・とまぁ、コーチがどんな人だったか、なんてことは本題とは全く関係ないんですけど・・・。


  1日目の午前中は、スキー板を付け、ストックを持って、ひたすら雪の中を歩いたり、

  転んで起きあがる練習ばかりでした。

  コースを滑る人の邪魔にならないように、コースから少し外れた木立の中を一列になって

  ぞろぞろと歩いて行くのですが、何せすごい雪です。

  私たちは、滑ったり転んだり、キャーキャー大騒ぎでした。

  だってホントに、今まで体験したこともないような雪の量なんです。

  前日、駅からホテルまでの山道で、バスの中から見た景色に、私たちは圧倒されていました。

  道の脇には何メートルもの高さの雪の壁があるんです。

  5センチや10センチの雪で、大雪だと大騒ぎする私たちにとって、それがどんなに驚きか、

  分かってもらえるでしょう? その上、雪の質が全然違うんです。

  福岡で見る雪は、水気をたっぷり含んでいて、シャリシャリしてて、すぐにとけちゃうんです。

  キュッと握ると、ギュッと固まって氷の固まりみたいになっちゃうし・・・。 

  でも、そこの雪はサラサラで、まるで片栗粉みたいにキシキシしてて、

  握ってもキュッキュッとなるだけでなかなか固まらなくて・・・。 とにかく驚きの連続でした。

  そんな私たちが、女の子ばかり6〜7人集まって、それでなくても女子高生なんてうるさいのに、

  そんな状況の中、とても静かになんかしていられるわけがありません。

  「きゃ〜っ、滑ったァ・・・!」
  「キャーッ! こけたぁ!!」

  「いやーっ!! いぼるー!!!」

  さぞかし、コーチはうるさかったことでしょう。

  でも、しばらくしてコーチは私たちに言いました。

  「”いぼる” って、何・・・?」

  その時、私たちは一瞬 ”へ・・・・? ” と、何のことだか分かりませんでした。

  でも、その直後、私たちは初めて 『いぼる』 という言葉が方言であるということを理解したのでした。

  それは、私たちにとっては、とても衝撃的なことでした。

  だって、生まれてからずっと、いぼることを「いぼる」と言って育ってきたのです。

  他の言葉は、結構、標準語での表現を耳にする機会も多いので、それが方言であることを

  理解していますが、「いぼる」に関しては、そう言えば聞いたことがないような気がします。


  「ええーっ!? ”いぼる” って標準語じゃないのォ!?」

  ひとしきり大騒ぎした後でコーチに聞いてみても、標準語で何と言うのか、

  ぴったりくる言葉は思い浮かばないようでした。

  結局、それから私たちは、全日程が終了するまでの間、 「いぼる」 と言い続けたのでした。


  旅行から帰ってきてからも、その時の思い出話と言えば、必ず最初に話題に上るのが、

  その、「いぼる」についてなのでした。

  旅行後、コーチから何度かもらった手紙には、1年経った後までそのことが書かれていました。

  きっとコーチにとっても、初めて耳にした言葉だったんでしょうね。

  (でも、それより、私たちがあんなに大騒ぎした事の方が印象的だったかも・・・)


  ・・・さて、ところで、その「いぼる」とは一体何か?

   深い雪に足がズボッとはまる時・・・

   泥の中に足がズブズブと埋まっていく時・・・

  そんな時に「いぼる」と言うのです。

  標準語で言うと、「埋まる」とか「はまる」といった感じでしょうか・・・。

  でも、何かしっくりとこないんですよね。

  やっばり 「いぼる」 は 「いぼる」・・・なんですよねぇ・・・。


                            。。。 おしまい 。。。。