番組名 | 『侍ジャイアンツ』 |
放送局 | 読売テレビ放送株式会社 (YTV) |
放映日 | 昭和48年10月21日(日) |
放映時間 | 夜 7:30 〜 夜 8:00 |
第 3 話 『でっかい奴は嫌いだぜ!』 |
47年度ドラフト会議の会場。 読売ジャイアンツの指名の順番がまわってきた。 タクエツ学園のセガワ・・・というマスコミの予想に反して 川上監督自らが読み上げた、指名第1位の選手の名は 四国・土佐嵐高校の番場蛮だった。 当然のこと、蛮の家へとつめかけた報道陣に向かって 蛮は怒りに震え、怒鳴るのだった。 「あんにゃろ〜! あれほど断ったのに!!」 「やり口が残酷すぎるぜ、川上のおっさんよ! ジャイアンツにだけは入団出来ねぇ、この俺の鼻っ先に お袋を中央の名医にかけられる道をチラつかせやがって! そして、俺にとって最後の花道をつきつけやがった。 ・・・だが、ここは男の意地。 断じて花道には背を向けるしかねぇ!!」 「俺、番場蛮はここに宣言する! 俺は断固として、ジャイアンツには入団しねぇ!!」 蛮の入団拒否宣言がでかでかと新聞に報じられた頃 名スカウトとして、ジャイアンツに20年も貢献してきた橋村は これが最後の奉公とばかりに、気合いを入れて土佐へ 乗り込んで来た。 まずは、蛮の母・キクが入院している丸亀病院へと向かう。 しかし、キクと世間話を始めたところで (多分、理香に知らされた)蛮が飛び込んでくる。 話を聞こうともしない蛮に向かって、橋村は上空を飛ぶ ヘリコプターを指さし、この1千万の契約書にサインをしたら 今すぐ母・キクを東京の病院へ連れていけるのだと迫る。 が、蛮は契約書を破り捨て、橋村を病院から追い出してしまう。 そこに理香がバイクで現れ、橋村に向かって言うのだ。 「見事にやられたわね。 あなたが勝つか、蛮ちゃんが勝つか、見物だわ。」 <全くなんてイヤな女なんだろう!・・・みるく談> 次に橋村は、丸亀病院の院長の恩師にあたる東京の医者に 頼み、丸亀病院の院長に直接電話をかけさせた。 どうしてもキクを看てくれと頼まれたので、こっちへ寄こして くれないか、と。 院長に勧められ、巨人軍のヘリコプターに乗り込むキクとユキ。 それを見ていた理香は浜にいる蛮に知らせる。 理香のバイクを借り、病院へと向かった蛮は、今まさに 飛び立とうとするヘリに向かって、小舟の櫨を振り下ろす。 宙に浮いていたヘリだったが、プロペラをやられ着地する。 またしても、橋村の企ては失敗に終わった。 とうとう、橋村は川上監督へ電話をかけ、蛮を口説き落とすのは とても無理だと弱音を吐いた。 しかし、川上は 「これは至上命令だ」 と一喝する。 次の日、理香が蛮の家にやってくる。 キクに産みたての卵を 差し入れに来たのだ。 蛮は、油断も隙もないからと、夜のうちにキクを家に連れて帰って 来ていたのだった。 地元一番の網元の娘である理香は、皆が寂しがっているから 早く良くなって浜に出るようキクを励ますが、蛮は自分が浜を 賑やかにしてやると、漁に出ていく。 理香も帰ったそのあとに、再び橋村はキクのもとを訪ねる。 ここで契約してもらえなかったら、自分はクビになってしまう、と 泣き落としにかかるが、キクは 「お世話になるのは蛮だから」と 関与しない。 が、「海の男を口説くには海の上が一番」 とヒントを与える。 モーターボートに乗って、沖で一本釣りをしている蛮のところへ 繰り出していった。 橋村は蛮の小舟に乗せてくれと頼むが、 蛮は耳を貸さず、釣った魚を投げつけて追い払おうとする。 ムキになった橋村は、とうとう海に飛び込み、泳いで蛮の船へ 渡ろうとする。 が、そこは土地の漁師も泳がないほどの潮の流れの速い所で 潮に流されたら最後、その先には大渦巻きが待ち受けている のだった。 次第に潮に流されていく橋村。 見かねて蛮も海に飛び込んだ。 蛮に助けられた橋村は、蛮の頑なな思いに負けたと感じていた。 「今、あったか〜い飯作ってやるからな。 それ食って東京へ帰んな。」 蛮の台詞に、あきらめもついたようだった。 出来る限りねばったんだから思い残すことはない、 故郷へ帰って百姓でもしますよ、と帰っていく。 橋村が去ったのを見て、いつの間に来たのか理香が蛮に言う。 「あなたはいずれ巨人軍に入ると思うわ。」 同様にキクも、あの人を帰してしまって本当に後悔しないか、と 蛮に確かめた。 そして、お前の父ちゃんはちょっと違っていた、と言う。 誰もがもて余す人殺しの鯨の腹の中へ飛び込んで、その腹を 突き破って飛び出した父のことを、改めて蛮に話して聞かせる。 母の話を聞いて、蛮は 「その手があったか」 と家を飛び出す。 列車の発車時刻まではまだ間に合うと、駅へ向かって走る蛮。 途中で理香のバイクに会い、その後ろに乗って駅へ飛ばす。 駅に着いた時、丁度、動き出した列車を追いかけ、バイクで ホームを走る。 そして、橋村を引きずり下ろしてしまった。 一体、どうしたのかと問う橋村に向かって、蛮は笑った。 「俺、巨人に入ることにしたぜ。 おっさんが気に入ったんでね。」 その夜、蛮が東京へ言ってしまうと二人きりになってしまうと言う ユキに向かって、キクは 「二人きりは、蛮が海へ出ていたら 一緒だ。男はやりたいことをやればいい。」 と諭すのだった。 そして蛮は・・・ 荒れる夜の海に向かって叫んでいた。 「見てろよ、川上のおっさん! 蛮・・・いや、3代目銛師・丹治が 岡の鯨退治に乗り込むからな!」 |
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◎ 理香のバイクのナンバーのこと・・・ 第1話と第2話では「土佐 と 37」で統一されていたのに、 この第3話では、全くメチャクチャ。 @ まず、蛮がヘリを止めに戻った時のナンバーは「高知 27−63」。 A 次に、スカウトの橋村があきらめて東京へ帰る為蛮の家を去った後 理香が来た時のナンバーは「と 37」。 B 更に、蛮が橋村を追いかける為に理香のバイクに乗り込んだ時の ナンバーは「高知 27−63」。 C なのに、列車に追いついてバイクがとまった時には「2−26」・・・。 @〜Bは、バイクが2台あって、それぞれ違うものに乗っていたと 考えればつじつまも合うけど、BとCの違いはさすがにね。 |