| 番組名 | 『侍ジャイアンツ』 |
| 放送局 | 読売テレビ放送株式会社 (YTV) |
| 放映日 | 昭和49年 2月 3日(日) |
| 放映時間 | 夜 7:30 〜 夜 8:00 |
| 第18話 『嵐に投げろ 侍ガッツ』 |
ヤクルトキャンプに殴り込みをかけた騒動の処分として、川上監督から 無期限の自宅謹慎を言い渡された蛮はあきらめて土佐へと帰る。 八幡は何とか処分を撤回してもらおうと、川上監督へ直談判するが 監督は取り合わない。 「勝つ」という常勝巨人軍の伝統を守るために、皆が血みどろになって 闘っているというのに、自分勝手な行動をとり、元のノーコンになり果てた ような奴をかばう必要などないと言うのだ。 実家へと帰った蛮を迎えてくれたのは、妹のユキと、蛮の契約金のお陰で きちんと治療を受けられ、病気も治り、すっかり元気になった母キクだった。 昔のように海で働いている母に、蛮は自分の仕送りだけでは足りないのか と聞くが、母キクは 「貧乏性でね。」と笑う。 蛮から渡された給料袋は、そのまま仏壇へと供えられた。 蛮は、妹のユキに、土産を買う暇がなかったからと千円札を渡す。ユキは アメリカへはいつ行くのかとしつこく聞きたがったが、蛮は答えに窮して 歯ガツオでも釣ってくると家を出たが、タイミングが合わず一匹も釣れずに 帰ってくる。 潮が悪くて釣れなかったといいわけする蛮だが、そこにちょうど一緒に釣って いた漁師のげんぞうさんが、釣った鰹を持ってきてくれる。 自分が釣れなかったのを潮のせいにしていることがばれ、気まずくなった蛮は ぷらっと家を出て浜辺に行く。 そこへ、母校の野球部のマネージャーのかつ子が、蛮の謹慎を聞きつけ やって来る。 そして、蛮が抜けてふわふわクラゲになってしまった野球部に 活を入れてくれ、と蛮に頼む。 蛮はいい気になって、「一本釣り打法」を見せてやると打席に立つが、 エースの江島が投げる球に、やはりタイミンが合わず、ファウルばかり 続けて三つ、そして最後はキャッチャーフライという有様だった。 そして、「それでもプロか」と野次る他校の三人組と喧嘩になってしまう。 謹慎中に喧嘩なんかしたら、クビになるかも・・・と心配したかつ子が、 知らせに走り、様子を見に来たキクは、家に帰って蛮に詰め寄る。 キクは、突然帰ってきた蛮を初めから不審に思っていたのだ。 詰め寄られ、謹慎を食らったのだと白状する蛮。 辞めさせられるのかと心配するユキに、蛮は、たとえクビになっても 漁師としてやっていける、心配するなと笑う蛮。 だが、キクは「鈍った腕で何を釣る気なのか、その分じゃ野球の方の腕も 鈍ったに違いない」 と鼻であしらう。 蛮はキクを見返そうと、浜辺に ”たも網” をつきたて、その網の中に ボールを入れてみせようとする。 が、何度やっても入らない。 内心焦る蛮を見て、キクはさっさと家の中に入ってしまう。 妹のユキは、見かねて、もう帰ろうと蛮に言う。 しかし、蛮は 「うるせぇ! 先に帰れ!!」 とユキを怒鳴りつける。 夜になっても投げ続ける蛮に、心に迷いがあると的には当たらないと キクは言う。 そして、亡くなった蛮の父親が使った血染めの手ぬぐいを見せ、父親も 昔、心に迷いがあって銛がうまく打てなくなった時に特訓したのだと 岬の牛鬼岩での様子を話して聞かせた。 「父ちゃんは鯨に呑まれこそしたが、絶えず自分を乗り越えようと 真っ正面から勝負した強い男じゃった。蛮、強い男になれ。 父ちゃんを乗り越える強い男になるんじゃ。」 キクの言葉に、翌日、蛮は小舟で牛鬼岩へと行き、揺れる船の上から 牛鬼岩の首をめがけて、ボールを投げる特訓を開始した。 波に揺られる小さな船の上では、フォームが崩れるとグラリとくる。 怒鳴るしか能のないコーチよりも、よっぽどマシだと蛮は感心する。 そうして一週間が過ぎ、蛮の特訓の様子を聞きつけた八幡は、川上 監督に蛮が郷里で密かに特訓していることを告げるが、川上監督は そんなことより自分の練習をしろと一喝する。 八幡は気が気ではなかったが、だからと言って川上監督に逆らって まで、蛮のもとに駆けつけるような勇気もなかった。 一方の蛮は、来る日も来る日も投げ続けていた。 ある嵐の日、荒れ狂う海で投げ続けていた蛮は高波にあおられ 海に投げ出される。 浜に打ち上げられた蛮の前に、突然、川上監督が現れる。 蛮は川上監督に向かって叫ぶ。 「あの岩の首をへし折るまでは帰るつもりはないからな!」 が、川上監督も言う。 「許すつもりはない! お前があの岩の首をへし折るまではな。」 激しい雨と高い波の中、蛮は投げ続け、とうとう牛鬼岩の首は落ちた。 父親に勝った安心感からか、力つき、ばったりと倒れる蛮。 二日もの間、眠り続けた蛮が目を覚ますと、キクが東京行の切符を 川上監督から預かっていた。 鼻を高くする蛮に、しかし、キクは残酷なことを告げる。 あの牛鬼岩の首には、父親の打った銛のヒビが入っていたのだと。 信じられない、そんなことは嘘だと、蛮は急いで岩を見に行くが そこには、確かに銛の跡がくっきりと残っていたのだった。 父親に負けたと泣いて悔しがる蛮に、キクは言う。 「お前は野球で父ちゃんを乗り越えるんじゃ。野球で父ちゃんより 強い男になるんじゃ。」 と。 |
![]() |
| ◎ 自宅謹慎を言い渡された蛮が乗った列車は 午前9時38分発の 「宮崎発 門司港行」の 各駅停車。 |
| ◎ 蛮の郷里の最寄り駅は 「土佐南駅」。 (実在はしませんが・・・) |