| 番組名 | 『侍ジャイアンツ』 |
| 放送局 | 読売テレビ放送株式会社 (YTV) |
| 放映日 | 昭和48年12月 9日(日) |
| 放映時間 | 夜 7:30 〜 夜 8:00 |
| 第 10 話 『多摩の川風、地獄風』 |
八幡、初の一軍ベンチ入りの日、朝早くから蛮は八幡の投球練習の 相手をしていた。今日は必ず応援に行くと言う蛮に、二軍の練習が あるだろうと言う八幡。 だが、蛮は意味ありげに笑った。 二軍の練習が始まると、蛮は強烈な腹痛を装い病院へと向かう。 そして、病院を抜け出して、タクシーで後楽園球場へと急ぐ。 そこは、南海とのオープン戦の真っ最中。 満塁のピンチで、丁度、八幡が堀内のリリーフに立つところだった。 蛮は、八幡の気の弱さを心配して、大声を張り上げ盛り立てる。 巨人軍のベンチでも蛮の姿に気付くが、放って置いていいのかと言う 選手たちに、川上監督は「それは中尾監督の仕事」と意に介さない。 そんな蛮のもとに、ジュース売りの男が近寄ってきてコップを差し出す。 頼んだ覚えがないという蛮に、ジュース売りはあそこの男に頼まれたのだ と上の席を指さすが、すでに男の姿はなかった。 そして、蛮に渡すように頼まれたと言う紙切れを差し出す。 そこには 『他人の事を応援している暇はないはずだ。−M−』 との文字。 一方、八幡は・・・ すでに全盛期を過ぎたとはいえ、4年連続ホームラン王という、監督 兼任の背番号「19」・野村を迎え、キャッチャーの森は八幡に内角高め のサインを出す。 満塁だと言うのにホームランにでもなったら・・・と恐れ、なかなか投げ られない八幡に苛立ち、タイムをとってマウンドへと向かう森。 監督でもある野村には他の選手たちに狙い球を指示する責任がある為 2ストライクまでは待って打つはずだ、と言う森。 集まって来た長嶋や王も、巨人の守備を信じろ、と激励する。 コントロールの良い八幡は、1球目・2球目と森の指示通りに内角の 高め・低めをついていく。 そして3球目は野村も苦手の外角低めだ。 しかし、ここで見逃してはアウトになってしまう為、野村は泳ぎながらも 打って、ファウルとする。 次も当然、外角低めだろうと思いきや、内角ぎりぎりのサインに八幡は 戸惑いながらも投げる。 何とか、ホームでタッチアウトにはなったが、 すっかりビビってしまう八幡。 そのせいかコントロールが定まらず、次の打者・ジョーンズには2球続け てボールを与えてしまう。 どうせ荒れ球だと見て見送るはずだと読んで 森は真ん中を要求するが、ボールはすっぽ抜けジョーンズの頭付近へ。 怒るジョーンズに、ますますビビる八幡。 川上監督は、自身の技巧にも自信のあるジョーンズの性格を見越して 「王シフト」を敷くよう指示を出す。そして外角低めへ投げ続けるよう言う。 しかし、大ファウルになり、いよいよ恐ろしさに身体が震え出す八幡。 次の球がど真ん中へとすっぽ抜け、ホームランを浴びてしまう。 当然、八幡は降板となった。 心配した蛮が急いで宿舎へ戻ってみると、八幡はすでに荷物をまとめて 出ていったと言う。 タクシーの運転手に行き先を多摩川グラウンドと告げていた、と富樫らに 聞き、蛮はタクシーでグランドへと駆けつける。 グランドには八幡の姿があった。蛮に別れを言いたくて待っていたと言う。 お前だけは俺のような負け犬になるな、郷里へ帰ってからもお前の球を 思い出せるように、最後にお前の球を受けさせてくれ・・・と。 八幡に押し切られるように、最後の投球練習をする蛮。しかし心の中では どうやったら八幡を思い止まらせることが出来るかと考えを巡らしていた。 そんな蛮に、もっと思い切り投げろと要求し続ける八幡。 八幡は八幡で、蛮が投げ疲れて動けなくなったら、そっと立ち去ろうと 考えていたのだ。 悔しさをぶつけるように、思い切り投げる蛮。 ・・・と、突然、目の前に一人の男が走り込んできて、蛮の球を打った。 打球は見事に場外へ。 そこへ、1ヶ月前に上京したという蛮の憧れの女性・美波理香が現れて その男を蛮に紹介する。 男の名は、眉月光・・・。 高知リュウオウ学園の野球部キャプテンで 無名だった学園を2年連続甲子園へと導いた男だった。 「理香さんに、将来僕のライバルになると言われ、 一度君のボールを打つチャンスを狙っていたんだ。」 二人が仲良さげなのが気に入らない蛮は、いきなり人の球を打つような 失礼な奴とは口を利きたくないとふてくされる。 それなら、後楽園でのコーヒーの礼でも言ってもらおうか、と言う眉月。 あの手紙の主が目の前にいるこの男だと分かって、蛮は怒り出す。 気に入らなかったかね、と馬鹿にしたように言う眉月に、蛮は 不意打ちなんて卑怯だ、どうせ女の子の前でイイ恰好したかったんだろう と食ってかかる。 それまで蛮のことなど端にもかけないといった感じでいた眉月だったが 卑怯者呼ばわりは許せん!! と、蛮に勝負を申し込む。 気合いの入る蛮は、2球続けてボールとする。次の球も、軽く片手で流し 「ホームランにするには低すぎたんだファウルにしたよ」 と言う眉月に ますます頭に血がのぼる蛮。 蛮の球を受ける八幡は、抜群の選球眼を持つ眉月に対し、ノーコンの蛮に 勝ち目はないと判断。 しかし、むざむざと蛮を負けさせたくない八幡は 次の、眉月がファウルにしようと打ち上げた球を無理して追い、ベンチに 突っ込んで捕球。 眉月は苦笑する。 「どうやらこの勝負、投手ではなく捕手に負けたようだ。 たかが他人の野試合に、命を張ったプレーをする訳の分からん 友情までは計算できなかったよ。 もし、これ以上僕と戦いたかったら、一軍へ這い上がることだな。 ・・・ま、無理とは思うがね。 君が一軍へ入れたら、僕も進学を辞め、断り続けているヤクルトに 入って、勝負してやってもいいぜ。」 怒りに燃えた八幡は、去っていく眉月の背中に向かって叫んだ。 「番場は必ず一軍入りしてお前をキリキリ舞いさせるぞ! いや、必ずそうさせてみせる! この俺が、必ず番場を一軍へ送ってやる。 それまでは俺も 野球を辞めん。辞められんぞ!!」 それを聞いて、八幡が退団を思いとどまったことに喜ぶ蛮。 八幡も蛮に応える。 「番場にあんな凄いライバルが現れた今、 お前を残して辞められるかや!」 |
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| ◎ 蛮が腹痛と偽って運んでもらった 病院の名前は 「城西多摩病院」 という名前だよ。 |